川のせせらぎが、新しい季節を静かに運んでくるような気がした。
彼女は、無言で僕の隣に静かに佇む。
手には、一本だけ残った線香花火。
涼しげな表情は、全てを悟っていた。

・・・・シュッ・・・・

煤けた匂いと伴に浮かび上がる、ほのかな灯り。
ささやかな、色彩のダンスが水面を微笑ませる・・・・。
彼女は、ふいに振り向くと僕に花火をそっと押し付けるように
近づける。
いたずら好きな彼女。
僕は、軽く笑いながら彼女の、追撃をかわす。

「熱いよ・・・・・・。・・・やめなって・・・・子供じゃないんだからさ。」
そう、不機嫌そうに呟きながらも、ずっとこのまま・・・・と思う
僕がいる。

毎年の恒例行事。
僕と彼女の二人だけの、残暑の過ごし方。

彼女は、儚げな灯りを落とさないようにそっと、そっと僕に
近づいてくる。

「熱いよ・・・・・。・・・・だからぁ・・・・・・。
ちょ・・・・・・熱い・・・熱いって・・・・マジ熱いって!
お・・・・・おわはぁ!!!」

あまりの熱さに、目蓋に火花が散ったような・・・・てホントに
散ってるじゃん。

「こ、焦げてるぅ〜。アチキの目蓋が、まったりと焦げてるう〜。」

その時、彼女が呟いた。

「壁に・・・・・・・並ばなかったのね・・・・・・・・。
アタシ・・・・・絶対にあの本、欲しかったのに・・・・・。」

彼女の怒りは、まだ収まりそうに無い。

毎年の恒例行事。
僕と彼女の二人だけの、残暑の過ごし方。

夏の後始末。
去年は、ロケット花火だった・・・・・。
今年は頑張った分、線香花火で許してもらえるみたいだ。
・・・・・・・・・やっぱ、ちゃんと並ぶべきだったなぁ・・・・・
あのサークル・・・・・・・・。

目蓋からふいに、熱さが消える。
開いた僕の瞳に映った彼女は、涼しげな顔をして
ドラゴン花火を構えていた・・・・・・。

めちゃくちゃ怒ってんじゃん!!!!

毎年の恒例行事。
僕と彼女の二人だけの、残暑の過ごし方。
夏コミの後始末。
彼女の、お仕置きが夏の終わりを告げる。

上記テキストは、「めたるがんもさん」自身で書かれました(..)



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